7.事件です…

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「やり返すわけじゃないけど、違う男に触れたら、響さんとの違いを感じるかもよ?」 真莉ちゃんが、近づいてくる。 私に覆いかぶさる影は、思っていたよりずっと大きくて、抱きしめる腕は…意外なほどたくましかった。 「これでもまぁ、俺も男なわけでさ」 これまでの付き合い史上、一番近くに真莉ちゃんがいる。 確かに…響とは違う。 もう少し骨ばった硬さ…真莉ちゃん細いしな…。 「琴音は…やっぱり女の子だな?」 その声はなんだかのんびりしてて、子ども同士が抱き合ってるみたい。 響のラブシーンを見て、ささくれだった心が癒されていくみたいに落ち着く。 多分こんなに近くに響がいたら、もっともっと焦るし、ドキドキして、何も考えられない。 確かに、違う。 真莉ちゃんと…響。 「真莉ちゃん…ありがと」 なんとなくわかった。 そう言って、離してもらおうとした…。 「待って…もう少し…」 真莉ちゃんの腕は緩まない。 …え、ちょっと待って。 その時、外廊下を歩く足音が聞こえた。 バンッと勢いよく開いたドア その瞬間、真莉ちゃんの唇が私に重なって… 驚きで目を見開くと… 真莉ちゃんの向こうに、響がいるのが見えた。 …なんでここに響?
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