彼氏

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 真凛はお昼休みに駿くんを呼び出した。 「ごめんね、突然」 「いや……良いよ」  少しの間沈黙が流れてしまう。 ――話辛い……。でも、言わなきゃ! 「あの!」 「はい!」  緊張して大きな声を出してしまうと、駿もまた身構えたように固くなった。 「……手紙の返事……」 「う、うん」 「考えたけど……ごめんなさい!」    真凛は駿に精一杯頭を下げる。 「……やっぱり……」 「え?」  真凛が駿を見ると、困ったように微笑んでいた。 「そうじゃないかと思ってた。……でもさ、俺達何も知らないじゃん?」 「え? うん」 「だから……友達からで良いからさ。前向きに考えてほしいんだ」  真凛は断る理由が見当たらなくて、駿の提案を受け入れることにした。 「うん、分かった」  真凛がそう言うと、駿は弾けるような笑顔を真凛に見せる。 「マジで?! ありがとう、桜木さん!」 「あ、うん」 「これからよろしく!」 「うん……よろしくね」  そんな感じで真凛達は付き合うことになった。それが高校1年の秋、今から1ヶ月前のこと。
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