2人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもの朝
「約束しよう。もし、生まれ変わりがあるのなら……いつか生まれ変わったら……その時は必ず……必ず! 逢いに行くから!」
誰かに言われる言葉を耳にしながら、少女は眠りから覚める。辺りは静寂に包まれ、窓から日差しがかすかに差し込んでいる。爽やかな鳥のさえずりが聞こえ、空気に夏の名残りをかすかに感じる、少し肌寒い朝。
何故か泣きそうな気持ちになりながら、少女はベッドから体を起こし、大きな伸びをした。
「……いつか、必ず……」
夢で聞いた言葉を少女は無意識に呟いていた。
少女は紺色のセーラー服に袖を通し、腰まである長いゆるくウェーブがかった黒髪を1つに束ね、身支度を整えると顔を洗いに部屋を出た。
リビングへ入ると両親と兄がすでに揃っていた。鼻をお味噌汁の香りがくすぐる。
「おはようございます」
「おはよう、真凛」
「おはよう」
「お、真凛、おはよう」
真凛が挨拶をすると、母、父、兄が挨拶を返してくれた。
「真凛、ご飯は?」
「うん、もらおうかな」
席へ付くと、母がお茶碗にご飯をよそって渡してくれる。
「ありがとう」
朝食はご飯にお味噌汁、納豆や卵、焼き魚などの和食だ。
「いただきます」
最初のコメントを投稿しよう!