終わらない夏休み v2

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 車に吹き飛ばされるのは初めてだな、こんなに痛いんだな。  頭のどこかで、そんなことを考える。  たっくんに振り回されるおもちゃも、こんな気持ちなのかな、なんて。  多分、こういうことなのだろう。  誰かがトラックに吹き飛ばされることは決まっていて、それは変えることはできない。  それなら、たっくんにとって、よりよい方を選ぶ。  たっくんを、騙してでも。  だから。  母と、たっくんが駆け寄ってくる。  僕は、それを見て、精一杯笑いかけた。 「ごめんねたっくん。今日はもう遊べないから」  呆気に取られているたっくんの頭を、優しくなでてみせる。 「また明日、ね」  僕の気持ちが伝わったのか、たっくんは茫然としながらも、頷いた。  たっくんは、そういうことに敏感だから。  僕が精いっぱいやった結果だって、分かってくれるから。  だから、どうか。  僕は、祈るような気持ちで目を閉じた。  どうか、この二人が、幸せに未来へ進めますように。
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