終わらない夏休み v2

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 目を覚ますと、真っ白な天井が目の前に広がっていた。自室ではない、でも、どこかで見たことがある。  ここは、そうだ。  母の最期の場所。病室だ。  僕が起き上がったのを見て、誰かが声を上げた。 「おにいちゃんおきた!」  たっくんはそのままの勢いで、僕のベッドに飛び込んでくる。衝撃で体のあちこちが痛み、これが夢ではないらしいことが分かった。  どうやら賭けに勝ったらしい。  あらかじめ轢かれることがわかっていれば、うまく衝撃を逃がせないかなんて考えていた。大人ではだめでも、子どもの軽さなら。そんな、ダメで元々だったけれど、どうにかなったらしい。体のあちこちは痛いけれど。  たっくんの声に、誰かの足音が近づいてくることがわかった。両親だろうか。  僕は怒られるだろうか。それとも泣かれるだろうか。  どっちでもいいか。 「おにいちゃん、なにしてあそぶ?」  たっくんの容赦のない言葉に、僕は思わず苦笑いを浮かべた。遊べさえすればいいと思っているのだろうか。きっとそうなんだろうな。まぁ、でも、たっくんが楽しいのであれば、それでいいか。  退院できるのは、一体いつになるだろう。呑気に、そんなことを考えた。
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