第七章 夜に咲く花も在る 二

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「意外に軽いのね……ちゃんと食べている?」 「食べています……」  それなのに、どうして家の中にいた亜子に、俺達の居場所がわかったのだろう。 「赤ちゃんみたいね……」 「違います!」  そして、闇の中に紛れている、気配のようなものを感じた。 「そこに……」 「大丈夫よ。彼等は、襲ってこない」  襲って来ないかもしれないが、かなり睨まれている。そして、ブツブツと文句を言っている気配がしている。  生き物ならば。言葉が通じていなくても、文句を言われているという事は分かるものだ。 「道原、翻訳」 「毛の生き物よ、身だしなみを整えられよ」  それは、もしかして俺の毛並みが汚いという事だろうか。俺は自分の匂いを確認してみたが、まだそんなに臭くない。 「あらあら、彼等、夏目ちゃんが気になっているのね……」 「気にしなくていい」  しかし亜子は、間近で見ても年齢が分からない。亜子の肌はピンと張っていて、皺もない。そして、手も美しく柔らかかった。 「亜子さん……おいくつですか?」 「年齢を聞くのは失礼よ。女性はね、いつまでもお姉さん」
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