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「…………別の生き物」
俺の毛は、こんなに艶々になるものだったのか。手触りも、雑巾と高級毛布の違いくらいはある。
「……凄い……」
「ふふふふふふふ」
黙って見ていた道原が、俺に触れると抱き上げ、匂いを確認すると感動していた。
「メーカーを教えて下さい!」
道原は俺を置くと、亜子にシャンプーとトリートメントのメーカーを聞き、検索して注文していた。
「それで、庭師の両親は見つかりそうなのですか?」
「どうなのかな……もう、亡くなっているかもしれない」
俺には毛皮があるが、それでもパンツは履いていたい。亜子がパンツを洗ってしまったので、道原に催促していると、辰見が謎のパンツをくれた。
「これ履いてください」
「うぐ?????」
それは、虎柄の鬼のパンツで、どうして持っていたのか分からない。
鏡に登って、自分の姿を確認してみると、鬼のパンツを履いた猿で、お笑いの小道具のようになっていた。
「ククククク……似合います」
「うるさい!」
これは、似合っているとはいわない。だが、サイズは合っている。
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