第七章 夜に咲く花も在る 二

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「…………別の生き物」  俺の毛は、こんなに艶々になるものだったのか。手触りも、雑巾と高級毛布の違いくらいはある。 「……凄い……」 「ふふふふふふふ」  黙って見ていた道原が、俺に触れると抱き上げ、匂いを確認すると感動していた。 「メーカーを教えて下さい!」  道原は俺を置くと、亜子にシャンプーとトリートメントのメーカーを聞き、検索して注文していた。 「それで、庭師の両親は見つかりそうなのですか?」 「どうなのかな……もう、亡くなっているかもしれない」  俺には毛皮があるが、それでもパンツは履いていたい。亜子がパンツを洗ってしまったので、道原に催促していると、辰見が謎のパンツをくれた。 「これ履いてください」 「うぐ?????」  それは、虎柄の鬼のパンツで、どうして持っていたのか分からない。  鏡に登って、自分の姿を確認してみると、鬼のパンツを履いた猿で、お笑いの小道具のようになっていた。 「ククククク……似合います」 「うるさい!」  これは、似合っているとはいわない。だが、サイズは合っている。
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