第七章 夜に咲く花も在る 二

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「玲央名さんが当時も調べていたけれど、庭師の方は、失踪当時四十二歳。離婚歴があって、子供がいた。けれど、会えなくなっていた」  だから、両親が亡くなっていても。子供が生きている筈だという。  玲央名は捜査には向いていなかったが、かなり几帳面に記録を残していた。これはこれで、一つの特技と言っていいだろう。 「それで……」 「食事にしましょう!」  俺達が話し込もうとすると、亜子がすかさず止めた。 「男の子というのは、すぐに熱中して……」 「一匹、猿が混じっていますが……」  俺も含めて、男の子と括ってしまう所が怖い。しかし、腹も減ってきたので、食事は嬉しい。  道原が俺を抱えてリビングに移動すると、既に亜子の息子二人が揃って座っていた。 「お邪魔しています」 「話は聞いています。あ、猿君も一緒の食事でいいですよ」  まさか、俺だけ外で食事させるつもりだったのだろうか。  道原が俺を抱えて座ると、亜子が子供用の椅子を用意してくれた。 「我が家は犬の一族。動物も家族です」 「犬と猿は、犬猿」
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