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「玲央名さんが当時も調べていたけれど、庭師の方は、失踪当時四十二歳。離婚歴があって、子供がいた。けれど、会えなくなっていた」
だから、両親が亡くなっていても。子供が生きている筈だという。
玲央名は捜査には向いていなかったが、かなり几帳面に記録を残していた。これはこれで、一つの特技と言っていいだろう。
「それで……」
「食事にしましょう!」
俺達が話し込もうとすると、亜子がすかさず止めた。
「男の子というのは、すぐに熱中して……」
「一匹、猿が混じっていますが……」
俺も含めて、男の子と括ってしまう所が怖い。しかし、腹も減ってきたので、食事は嬉しい。
道原が俺を抱えてリビングに移動すると、既に亜子の息子二人が揃って座っていた。
「お邪魔しています」
「話は聞いています。あ、猿君も一緒の食事でいいですよ」
まさか、俺だけ外で食事させるつもりだったのだろうか。
道原が俺を抱えて座ると、亜子が子供用の椅子を用意してくれた。
「我が家は犬の一族。動物も家族です」
「犬と猿は、犬猿」
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