第七章 夜に咲く花も在る 二

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 犬が何故、人間と共同生活出来るのか、それはとても不思議だ。しかも、犬は群れとして、人間を許容できるのだ。そんな動物は、他にはイルカくらいのものだ。 「犬とイルカ、人間。言葉で会話しているのではないのか……」  きっと、情報の伝達方法が似ているのだ。 「食事!」 「はい!」  だが、今は食事に集中しなくてはいけない。  そして、長男の孔子が、食事の合間に家族の事を説明してくれた。 「俺の妻は、今、息子を連れて実家に帰っている。出産したばかりで、大変だから……」  孔士が育児休暇をとろうとすると、妻に面倒を見なくてはならない人が増えるので、嫌だと言われてしまったらしい。  そして、母の元に行きたいと言ったので、孔士は送っていった。 「妻にとっては、俺も息子も同じらしくて……同等の扱いというのか……」 「ああ、分かる。俺もそうだった」  俺も妻には、一番出来の悪い子供のようだと嘆かれていた。 「男は、子供を見ても親になれないというのか……」 「仲間と認識はしているけど、親というよりも、大将?ボス猿的存在?」  そこが、妻の怒りになるのだ。
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