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「殿様の頃からか……長生きしている犬だな」
俺が呟くと、孔子と龍平が真顔になった。
そして、スタスタと歩き始めた。
「夜空が綺麗だ」
「夏目さん、夜に愛されていますからね……」
夜に在っては、本体の白さが月のように明るいらしい。だから、目印には丁度いいのだと、道原が笑っていた。
龍平に抱えられたまま、離れに到着すると、既に電気が付いていた。誰か来たのかと、周囲を確認しようとすると、亜子が先にやってきて夜食を届けたのだと言った。
「いつの間に越された??幽霊??」
「他に近道があるだけです!」
近道があるのならば、そっちの道を通れば良かっただろう。しかし、その道は、今の道よりも真っ暗で、しかも獣道のようになっていたらしい。
そして、離れの中に入ると、大量のおにぎりと、サンドイッチ、そして飲み物が置かれていた。
「何人前だ???」
「いつまでも、母さんにとって俺達は、子供のままです……」
子供はこんなに食べるのか。
そして、バナナも巨大な房のまま用意されているのは何故だろう。
「俺は猿の扱いか???」
「猿でしょう!!」
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