第八章 夜に咲く花も在る 三

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「殿様の頃からか……長生きしている犬だな」  俺が呟くと、孔子と龍平が真顔になった。  そして、スタスタと歩き始めた。 「夜空が綺麗だ」 「夏目さん、夜に愛されていますからね……」  夜に在っては、本体の白さが月のように明るいらしい。だから、目印には丁度いいのだと、道原が笑っていた。  龍平に抱えられたまま、離れに到着すると、既に電気が付いていた。誰か来たのかと、周囲を確認しようとすると、亜子が先にやってきて夜食を届けたのだと言った。 「いつの間に越された??幽霊??」 「他に近道があるだけです!」  近道があるのならば、そっちの道を通れば良かっただろう。しかし、その道は、今の道よりも真っ暗で、しかも獣道のようになっていたらしい。  そして、離れの中に入ると、大量のおにぎりと、サンドイッチ、そして飲み物が置かれていた。 「何人前だ???」 「いつまでも、母さんにとって俺達は、子供のままです……」  子供はこんなに食べるのか。  そして、バナナも巨大な房のまま用意されているのは何故だろう。  「俺は猿の扱いか???」 「猿でしょう!!」
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