第八章 夜に咲く花も在る 三

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 しかし、これでは話が進まないので、俺は飛び降りて、バナナの房に腰を下ろした。 「そこは椅子ではあません!」 「写真、動画!!!!」 「兄さん、こっちに一眼レフが……」  再び、これでは話が進まない。  そこで、俺は素直に椅子に座った。 「それで、二人は俺に何を聞きたいのだ?」 「気付いていましたか……その……地下社会の事を聞きたくて……」  実際には、地下社会の事というよりも、二人が常識を超えている事を抱えているのだろう。それが、地下社会にあるのかと聞かれれば、それは答えられる。 「長生きしている奴はいる。絶滅種を生む一族もいる。ちなみに裏社会にも、方舟の一族がいて、生きた金属もいる。つまりは、謎ではなく、全て肯定して受け入れられている」  それが何故かというのはわからないが、それは存在している。 「そうですか……」  しかし、孔士も龍平も、もっと聞きい事があるようで前のめりになっていた。だが、俺も知りたい事があった。 「俺、今は辞めているけれど、元は公安なので、どうしても殺人事件が気になる。現役ではないので、逮捕とかはしない。事実が知りたい」
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