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そして、人としての肉体が滅んでも、影としての実態が残り、記憶が混乱してしまうらしい。それが、幽霊のようになり彷徨っている。
「二千年も彷徨うのか??」
『大体は他の影がやってきて、再び肉体を与えるか、仲間として引き入れ、影として生かすかして助けるよ』
「再び肉体を与える…………」
人として生き傷付いた心は、人の姿でないと癒せないという。
「生まれ変わり……」
『近いね』
すると、ここでの現象も見えてくる。そして繁栄させ、身を守ってきた。
孔士や龍平、亜子も影の一族なのだ。
『その影君達、ウチに連れて来てもいいよ』
「いや、一族を守っているから無理だろう」
しかし、俺が無理だというと、慌てて全匹が腹を見せて鳴いていた。
「クウウン」
「クウウウウン」
「クウウン」
ここに子孫がいるのならば、後千年くらい守っていたほうがいい。
『影は、多分、裏社会か地下社会に移動したがっている。だから、玲央名さんを引き入れた……だから……夏目ちゃんに服従しているよ』
服従しても、俺に犬を飼う余裕はない。しかも、牛程に大きいものが、十数匹いるのだ。
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