第九章 夜に咲く花もある 四

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「部屋に戻る」 「そうしてください」  だが、西海を逃がすつもりはない。  俺が西海の腕を掴んで車に乗り込むと、部屋に戻ると思っていた道原が、引き返してきた。 「部屋????」 「器材が車にあるからだ」  同時期にいなくなったのは、亜子の叔母である良美、家庭教師の竹本、そして庭師であった。そして、その後に義叔父と従兄弟がいなくなり、父親が病死した。しかし、父親の病死は、失踪の日付と比べると、かなり離れているので除外したほういがいいだろう。  「多分、ここには四体以上埋まっている」 「ええ???警察が周囲も確認していますよ」  しかし、観音像の中までは確認していないだろう。そして、周辺を掘り返さないと、真相は分からないのだ。 「西海、他にも失踪している者がいただろう?」 「いました」  まず、良美の夫も失踪している。  西海は、失踪者のリストを画面に出してくれたので、俺はここに埋まっているだろう遺体を指で示しておいた。 「情報を送っておきますが、どうして分かるのですか?」  西海が質問してくるのは珍しい。それだけ、この事件が複雑なのだろう。
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