第九章 夜に咲く花もある 四

12/15
前へ
/184ページ
次へ
 蓋をすると、穴の中にガスが充満し意識が亡くなる。そして放置しておけば、そのまま死亡する。それは、確かめていないが、一時間程度で完了する筈だ。 「見つかった四体の一番下は竹本さんですね。次が女性だったので、良美さん」  だから弥生は、蓋をして待っているだけで良かった。  そして弥生は、元夫に連絡を取り、埋蔵金伝説を教える。そして、やって来た元夫に庭師を紹介し、二人で穴に入った所で蓋をする。 「その上の死体が、弥生さんの元夫で、その更に上が庭師」  確かめてみないと分からないが、弥生は元夫から、慰謝料の一部として貰ったと言い、元夫の車を使用していたという。  それは元夫が乗ってきた車だろう。 「弥生さんが、四人を殺害」 「もっと殺しているだろう。彼女は自分が正しい。そして、邪魔をする人間は悪で、殺す事に躊躇いがない」  だから、物産店で確認しておいた。  弥生は正しい人間になり切る事で、ほぼ罪の意識を持っていない。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加