45人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の姿は、完璧に猿なのだが、全身がオレンジの毛で覆われていて、今は少し長い。顔も毛で覆われているので、生きたモップのようだ。手の平も甲も毛で覆われているので、手を洗うとかなり泡立つ。
そして、猿になっていると、三歳児に満たない体重しかない。だから、道原が片手で摘まむと、俺を肩に乗せていた。
「このモフモフは俺のだと、親父にもきつく言っておきました」
道原は大のモフモフ好きで、俺の毛を頬擦りしていた。そして、再び匂いを確認すると、やや固まった。
「やっぱり、臭い…………」
「いや、そこの水道で水浴びした!今日は、犬用シャンプーを使用してみた。いい匂い!」
まあ、その後で色々と探検したので、すっかり汚れてしまった。
「犬用は我慢しますが、今!洗います!」
「ええ……今……」
道原もマイペースだ。
そして、道原の親父もマイペースで、道原の愛車を隠すと、改造した車を置いていたらしい。
「全く、親父も……どういうつもりなのだか……」
「親父さん、道原に構って欲しいのだろう」
最初のコメントを投稿しよう!