第十章 夜に咲く花も在る 五

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第十章 夜に咲く花も在る 五

 ゴリラに影の歴史を教えて貰ったが、どうにもよく分からなかった。  それは影の存在というのは、かなり昔から存在しているが、そもそもは他の空間からやってきた者らしい。 「俺、オカルトは信じない」 『我々の歴史です』  ならば、影の歴史は信じない。  そして影がここから移動出来なかったのは、幾つかの問題が発生していたからだという。 『一つ、天女は我々の子供を産む。しかし、記憶は継承していない』  だから生まれた子供に、影の仕組みや歴史、その意義などを、時間をかけて教えるしかない。 『ニつ、産まれた子供は、いつも誰かだ……新しい仲間とは違う』
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