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「職業は研修医」
「あら大変ね」
真面目に聞いて欲しい。
しかし、亜子は無表情でも明るく、さっぱりとした口調をしていた。
「やっと、終わりが見えてきたね」
「あまり、いい終わりではないですが……」
綾人が生きている事と、仕事の都合で失踪扱いになっていた事は、西海が亜子に知らせていたらしい。
すると、亜子はその事には気付いていた。
「綾人さんの事は、最近になって……警察の叔父がね、機密だと言って教えてくれたのよ……」
亜子には、もう孫も二人いる。だから、綾人が幸せに暮らしていると分かっただけで、嬉しかったという。
「綾人さんはね、産まれてくる孔子の為に、土地から出て行った。そう分かったから、感謝しているくらいなの」
影が子供を産む時は、今まで存在していた誰かだという事を、亜子も薄っすらと気付いていたという。
だから亜子は、理由を付けて裏社会の探偵を訪ねた。そして、逆に自分の運命を悟った。
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