第十章 夜に咲く花も在る 五

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 その猿から人になっている事は、疑問には感じないのだろうか。それに、迷わずに俺を夏目と呼んだ理由を知りたい。 「あの、亜子さん、どうして俺が分かったのですか????」 「私は、二人の息子の母親よ!!そんなの、一発で分かります!!!」  根拠が全く無い事も分かった。 「可愛い!!!ウチの子にしようかな……」  それは無理だ。  朝食は古民家の母屋に用意されていて、そこには孔士と龍平が既に座って待っていた。そして、俺の姿を二度見してから、再び二度見していた。  そして、亜子が俺の事を、迷わずに夏目と呼んでいたので、孔子と龍平は納得する事にしたらしい。 「納得するな!」 「……夏目さんですから」 「……夏目さんだな」  会ったばかりの奴らに、何が分かるというのだ。  しかし、道原はそんな孔士と龍平に納得していた。 「夏目さんですから……」 「道原も納得するな!」  そして朝食に手を伸ばすと、孔子がパンを取ってくれた。 「このパンは乳を使用していないよ」 「ありがとう」  孔士は更に、パンを契ってくれたので、子育てに慣れている。
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