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「夏目さんを守らなくていいのかと聞いています」
俺はこれでも、元は公安の職員だ。だから、護衛した側であって、自分の身は自分で守る。
「俺は大丈夫」
「ワアアアアアンワオン」
しかし、喜多村が一族でいなくなったという事が気になる。
喜多村は普通の人々で、弥生だけが特殊なのかと思っていた。
「道原、犬達の予防接種が終わったら、家に帰る」
「わかりました」
俺は犬達を護衛に付かせ、自宅に戻ろうとしたが、出てきた珠緒に捕まってしまった。
「夏目ちゃん。会いたかった」
「珠緒ちゃん、重い!」
珠緒に捕まったというよりも、珠緒にタックルされてしまった。これは、とても重い。
そして抱えられると、四乃守のリビングに連れ込まれてしまった。
「夏目ちゃん」
「珠緒ちゃん、事件が終わっていないので、早めに帰るよ」
珠緒は英トの電子カルテをハッキングし、俺に見せて引き留めようとしていた。
四乃守は、廣川や影の犬達を総称して、魂の者と呼んでいた。それは、本来、実態を持たずに、宇宙空間を移動してきた者達らしい。
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