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だが雨のせいで、並んでいた客達は店内に入った。そして、通りに残されているのは、俺達くらいのものだ。
「道原、二歩下がり、右に一歩」
「はい」
これで、俺達の姿は弥生には見えていない筈だ。そして、弥生が見ている場所を辿り、そこに何があるのか確認してみた。
「道路」
「ついでに、俺達も車に戻ります」
雨が目に入るので、うまく銃の照準が合わせられない。こんなに土砂降りだと、まるでシャワーを浴びているようだ。しかも、服を着たままなので、動きにくい。
「そうだな」
車の近くまで来ていたので、入っても大差ないだろう。
そして車内に入ると、タオルで顔を拭いた。
「道原、道路に出る」
「はい」
しかし。右からやって来た車に先を行かれてしまった。
「しまった、前方が見えない」
「夏目さんの目でも無理ですか?」
俺の目は天候に左右されないが、物を通過して見る事はできない。
「いやにゆっくり走っているな」
「雨で見え難いのでしょう」
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