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しかし、毛が長く全身にあるので、走ったくらいでは乾かなかった。
「やっと捕まえた!」
「あら」
そして、道原はタオルで俺を拭くと、大画面に西海から送られてきた資料を映してくれた。
「西海、仕事が速いな」
「こっちは、玲央名さんの資料です」
玲央名の資料は丁寧だ。
道原は俺をドライヤーで乾かしながら、時折、頬擦りしていた。
「うん、臭くありません」
「臭いと言うな!」
猿になっている時は、ほぼ全て見られても平気だ。だから、お尻も乾かして貰っている。
そして資料を読むと、道原が俺の頭にキスを繰り返していた。
「今回、落雷で亡くなったのは、四名。それと銃で撃たれて、弥生が亡くなった」
雷が落ちた瞬間、車から銃が発射されていたらしい。
俺も近くにいたのに、雷の音と光で、銃声まで聞こえていなかった。
「四名……」
「夏目さん、眠いのですか?ほぼ目が閉じられていますよ」
少し、長い瞬きをしただけだ。決して、眠っていない。
「四名は、喜多村キッチンの夫婦、そして弥生の子供が二名。弥生の子供は、亜子さんより少し下くらいの年齢です」
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