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「呪いか……」
「夏目さん、ドッグフードが食費を圧迫しています……」
この影の犬達は、俺が飼っているのだろうか。 廣川家のものだろうと言いたいが、俺の家に年中来ては、食事を催促してくる。
「犬を飼う気はなかった」
「拾ってきたのですから、最後まで面倒を見てください!」
しかも、この影の犬達、千年は生きているのではないのか。
その最後までは、きっと面倒を見る事ができない。
「拾った場所に戻してくる……」
「捨て犬にするつもりですか!」
ならば猿薬を飲ませて、野生のゴリラにする。
「捨て犬がダメなら、捨てゴリラにする!」
「夏目さん!」
そんなに怒らなくてもいいだろう。
道原は最近、いつも怒っている。
俺が道原によじ登って、頬にキスすると、道原は座り込んで苦悩しながら怒っていた。でも、ドッグフードをトラック単位で注文してくれた。
「ありがとう、道原」
「…………稼ぎましょう……」
主に稼ぐのは俺だ。道原の翻訳では、自分の事務所の経費で終わる。
「あ、雨だ」
雨は、その土地が来訪を歓迎している印だという。
だから廣川家も歓迎したい。
完
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