第一章 十月に雨が降る

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 銀鏡学園にある特別クラスというのは、年齢や性別に関係なく、能力によって集められた集団だ。  特別クラスは三つほどあり、それぞれが別の意味を持っている。菊花クラスには優秀な人材が揃い、やがて裏社会を牛耳る者の、右腕や側近として活躍するだろう人材が揃う。  桜花クラスは、重鎮などの子息が揃い、帝王学を学んでいる。 そして梅花クラスは、特出した才能を持っている者とされていて、別名一芸クラスといわれている。そして、他のクラスからは馬鹿にされていた。  だが、この一芸には様々あり、俺は梅花がとても好きだ。  俺を猿の姿にしてくれる薬も、この梅花の級友が作っている。  そして、俺の首根っこを掴み、怒鳴っている道原 一端(みちはら いったん)も一芸の保持者だ。 「道原、道がダメなら、空がある」 「何、パンが無いならケーキを食べろみたいに言っているのですか!!空には乱気流があります!」  道原も空から帰ろうと、検討はしたらしい。だが、まだまだ甘い。それに、俺は乳製品が苦手なので、ケーキを食べない。 「こんな雨の時の為に、ホバークラフトを改良して、こんなモノを…………」 「ホバークラフトは、斜面に弱いのではないですか???」  道原も、最近機械に詳しくなってしまったので、中々騙せなくなってきた。ホバークラフトは斜面に弱いだけでなく、横風にも弱い。しかも、燃費が悪い。だから、あれこれ改造してみた。そうしたら、小遣いが無くなってしまい、今、苦労しているのだ。 「改造した……」
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