第四章 十月に雨が降る 四

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 華奢にも見える骨格で、格闘技などにも興味がない。そんな弥生が、男を殺すとしたら、移動させずにそのまま処理が出来る場所がいい。 「そうか、弥生は山に家庭教師を呼び出して、殺した後はそのまま埋めた」  山と造園の場所の区別がつかないが、きっと弥生には分かっただろう。だが、庭師も消えたとなると、庭木を育てている場所だったのかもしれない 「逆かもしれません」 「そうか……弥生は家庭教師に呼び出された。それは、良美を埋める為だ。そして、良美を埋めた後に、家庭教師を殺して埋めた」  家庭教師の竹本は、弥生と秘密を共有したと思った。しかし、その共有は危険だったのだ。 「そして、庭師は異常に気付き、遺体を埋めた事に気付く」 「だから、殺されてしまった」  これは、庭木を育てている場所で、長年放置されている箇所を確認したほうが良いだろう。もしかすると、そこで三人の遺体を見つける事が出来る。 「そして、義叔父もいなくなる」  そこで、四人なので従兄弟の失踪は、カウントされていない。次期的にも、やや離れていたのかもしれない。 「義叔父という人も気付いたのでしょうか?」
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