第一章 十月に雨が降る

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 梅花の教室は、菊花や桜花とは離されてしまった。そして、本校舎とも離された。これは、きっと梅花の教室を忘れていたので、突貫工事で作成したのだろう。そう疑って確認してみたが、結果は違っていた。  俺が基礎工事を確認してみると、しっかりとしたものだった。これは、突貫工事ではない。  すると、最初から梅花の教室を、離そうとしていたのではないのか。  そこで、基礎を確認しつつ、秘密の通路が無いのか確認していたら、アレコレ見つけてしまった。 「梅花の教室の地下には、研究所があった」 「ああ、四乃守の仕業です。ここで、実験をしたいようです」  四乃守の援助があったので、見た目は木造だが、一メートルを超える壁の建物が出来たのかもしれない。これなら、多少の爆発にも吹っ飛ばなくて済む。 「地下には通路があり、車で大学まで通える」 「ここ、大学生が多いですから……」  その地下通路も、大型のもので、飛行機も格納できそうだ。地下から飛び出す飛行機など、考えてみると楽しい。そして、地下には移動用の電気自動車が、既に配備されていた。やはり地下なので、排気には厳しいようだ。
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