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三毛は兄が失踪しているので、辰見を重ねて見ていたのだろう。
そして辰見は塀から降りて来ると、仕方なさそうに俺を見ていた。
「辰見、どうして、俺を見てがっかりしたような顔をする?????」
「がっかりというのか……ああ、来てしまったと思ったというのか……」
辰見は俺達を、屋敷の離れのような建物に案内してくれた。しかし、その建物はどこか物置だ。
屋敷の裏手、納屋の横にあるので、馬小屋にも近い。
「この建物は?」
「亜子さんが、俺に用意してくれた部屋です」
この周辺の宿泊施設はグランピングしかないが、辰見は何の準備もして来なかった。だから、亜子が離れを提供したらしい。
「歓迎されていないのか?」
「母屋の客間を使用してもいいと言われたのですが、あの母屋、幽霊でも出そうなくらいに怖い」
そこで用意されたのが、この離れだったらしい。
「ここは、元使用人が住んでいたもので、その元使用人は、今は別の土地で余生を送っているそうです。元使用人、元お庭番のような忍者の子孫だったとか……違うとか……まあ、そこはどうでもいいのですが……」
「玲央名さんとは会えたのか?」
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