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すると、辰見は微妙な表情をしていた。
「親父は亜子さんと話し合っています。亜子さんも、母屋は住み難いようで、少し離れた所の洋館にいます」
洋館は庭園見本園の中に在り、ベルサイユ宮殿の庭を再現した中にあった。時々はその洋館で、お茶会という名のイベントも行われるらしい。
「玲緒奈さん、亜子さんと切れていないのか????」
「そんな事はないと思いますが……まあ、話すよりも見る方が早いです」
どうして、見た方が早いというのだろう。
「後で見に行きましょう。今はそれよりも、今日はどこに泊まる予定ですか?帰るには遠いでしょう?それに、俺も夏目さんに相談したい事があったのです。あ、夏目さん俺の事知っていますか?教室では、会話した事がありませんけど……」
辰見が俺を持ち上げると、矢継ぎ早に質問してきた。
「辰見の事は知っている。いつも三毛が世話になっている」
「三毛には助けられています。三毛の能力、凄いですよ。夏目さんも、夢の中に入った事がありますか?俺達、人探しで夢の中に入るのですよ。案外、過去にもヒントがあります。それで……あれ…………すいません。質問が沢山あって……」
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