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「いつも、遠目で見ていましたが……こうして近くで見ても、夏目さん可愛いですね……毛の塊に……大きな目。とても小さな口……ボールみたいだ……」
「このモフモフは俺のだ!」
そこで、道原も主張して菓子を出さないで欲しい。まるで、俺が菓子につられるようではないのか。
俺は酒には惑わされるが、食べ物には興味が少ない。
「あ、毛玉。ブラッシングしないと!」
「夏目さん、洗ってそのままにするから……」
うるさいのが二人に増えた。
そして、俺が仕方なくブラッシングされていると、窓の外に雨が見えた。
「晴れているのに、雨だ……」
「土地の神様が歓迎すると、雨が降る。そういう風にも言うらしいです」
しかし、雨が豪雨になった。これは、本当に歓迎なのか。
「ああ、土地神様が夏目さんを、閉じ込めておきたいのかな……」
「雷!稲光!嵐か????」
お天気雨は聞くが、お天気豪雨というのは、気象的に不可能のような気もする。
「通り雨です」
辰見は立ち上がると、窓から稲光を見ていた。
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