第六章 夜に咲く花も在る

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 そして、償いや金が必要になる。 「きっと事実が分かっても、私は綾人さんを探す事を止められない……綾人さんは、私の魂の半分みたいだった……寂しさを分かち合える人だった……」  ここで、亜子の思いを聞けて良かった。  亜子は、綾人を待ち続ける為に、子供を作り、会社を経営している。亜子は、綾人の居場所を守っているのだ。そして、それを未来に繋いでいる。 「ん??子供???」  まさか、息子は綾人の子供なのだろうか。そして、玲央名がカモフラージュだったという推測もできる。だが、そうだったとしても、何の為なのかは分からない。 「雨が繋いでいるの……」  きっと、俺は亜子を理解していない。  亜子とマフィンを袋詰めしていると、心配して見に来た道原が、一緒に作業してくれた。しかも、道原は丁寧で几帳面だったので、まるで売り物のような立派なマフィンが完成した。 「夏目ちゃん、玲央名さんとは、まだ会っていないのね?」 「そうです。玲央名さんは、女性の敵で。行動はクズだと思っていました……」  だが、亜子の話を聞いて、評価が変わった。クズはクズでも、人間的には正しかったのかもしれない。
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