第六章 夜に咲く花も在る

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 それは、ペット置き場の上に看板があり、ルールが大きく書かれていた。 「可愛いのは分かります!」  そして、弥生は道原に声を掛けて、写真の撮影をしても良いのか確認していた。  道原は撮影も拒否したかったようだが、拒否しようとすると弥生に説得され、渋々了解していた。 「こんなに可愛いのです。撮影は許可してください!お願いします」 「お願いします」  そもそも、道原は女性に弱いのだ。 「……分かりました。どうぞ。でも、触れないでください!」 「はい!!」  道原は、後で俺が説教しておこう 。  そして、弥生は現場に立ち会い、女性達が暴走しないように見張っていた。そして、他の店員も、その光景を微笑ましく見守っている。  これで、他の店員と弥生との関係性も分かる。  ここでは弥生が見本で、良い店員の在り方なのだ。だから、信頼関係が構築され、弥生の居場所になっている。  三毛の夢に出ていた、おどおどした表情の弥生とは、大きく違っている。それに、暗い闇のような嫉妬も、ここでは出ていない。 「可愛い!!!!オレンジの目で、じっと飼い主を探している!!!!!」
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