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「あ、犬の後ろに隠れた!!可愛い!!!!」
しかし、写真を撮っても良いが、あちこちに芝が付いている。太郎が俺を舐めているが、この光景を道原が見たら、又怒るだろう。
俺の毛は、すぐに絡まるので、ブラッシングが大変なのだ。だから、無暗に濡らしてはいけない。
そして、周囲を見ると、レジに並んでいる道原が、怒ったように俺を見ていた。
「うぐぐぐぐぐ」
声には出せないが、これは俺が悪いわけではない。だから、睨まないで欲しい。
「夏目さん!」
「え、猿の名前、夏目さんなのか……面白い!!」
道原は大きな袋を背負い走って来ると、俺をタオルで拭いて肩に乗せた。
「わあ、夏目君、飼い主が来ると安心している!!」
「あ、笑った!!!可愛い!!!!!」
安心したわけではない。買ってきた品物の中に、酒を見つけたので笑っただけだ。
何故、酒があるのか分からないが、後で道原の目を盗んで飲んでおこう。
「夏目さん、行きますよ」
「うん、うん!」
声を出せないので、頷いておく。
そして、離れた場所から、店を振り返った。
「弥生さんは、あの女性だな」
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