チャイムの音が、

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 部屋の中に入ると、モウフは片づけをしているようだった。まるで引越しでもするかのように、何やら段ボールに詰め込んでいる。 「どうしたんだ?」 「ああ、要らないものが多いと思ってな」 「そうか……元気になったなら良かったよ」  僕は台所に立って、いつものように紅茶を淹れ始めた。モウフのカップは、食器棚に入ったままだったので、二人分を用意した。 「紅茶、淹れたぞ」 「ん? ああ、ありがとう」  作業の手を止めて、モウフは僕の向かい側に座った。  いつものように、モウフは紅茶に砂糖を入れる。ティースプーンをカップに入れて、かき混ぜる。  がちゃがちゃと、耳障りな音が鳴り響いた。  僕は、モウフの手首を掴んだ。 「お前……誰だ?」
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