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「モウフ、本当にどうしちゃったんだよ!」
「大丈夫……これが出来上がったら……大丈夫……」
「何言ってるんだ!」
僕は机の上のパソコンを取り上げて、ベッドに投げた。
「ちゃんと話そう! モウフは作家だろ! モウフの気持ちを僕に伝えてくれよ!」
モウフの目に宿る淀んだ光を振り払おうと肩を揺する。すると、モウフの口が、微かに言葉を紡ぎ始めた。
「ずっと……漠然と……何かが、怖かったんだ」
「何が?」
「それが分かったんだ!」
モウフは突然声を荒らげた。僕は飛び上がって、その拍子に怒鳴る。
「どうしたんだよ!」
「お前が教えてくれたんじゃないか!」
「僕が……?」
「俺は……もう一人の俺が、目の前に現れるのが怖いんだ……」
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