黎明

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白髪の巫女が起請文が置かれた三方を博文の前に置き、受け取ると三方と共に下がる。 博文は脇から小刀を出し、おもむろに親指の腹を刃にあて、スッと切れた皮膚から真新しい真っ赤な血が出ると、床に開き置かれている起請文の自分の名の終わりに押しつけ、血判が押されると次の晋作へと回される。 続いて若い巫女が差し出した、三方に置かれている清めの酒が入った盃に指をかざし、ぐっと押し出し一滴落とす。 同じ行為が順々に行われ、全ての署名に血判は押され、盃に血が入ると、巫女はそれぞれ姫に供え速やかに下がり控える。
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