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姫は硬く目をつむり、深くゆっくり息を吸い、吐くと目を開けるのと同時に一気に飲み干す。盃が手から落ちカランッ、と乾いた音が響き麒麟の煌めきが大きく揺れ、宙に浮かび激烈な光りを放ちながらゆっくりと姫の前に行く。
正面に来ると目を開けていられないほどの強い光りが中央に収縮されてゆくと共に、獣の姿をしていた麒麟が手のひらに収まるほどの勾玉の形に変形していく。
ゆらゆらと金と銀の光を放ちながら意識のない姫の胸に吸い込まれるように入ってゆく……
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