黎明

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「――(なんじ)、我が楯となり(つるぎ)となれ――」 澄んだ声が凛と耳に届く。 「――我が身と心、死して無くなろうとも永久に唯一無二、麒麟の為にあることをここに誓う――」 八咫烏一堂揃い言い終えると、光が一気に収束しながら髪と目の色が元に戻り、瞼を閉じながら崩れ落ちてゆくのを、一閃(いつせん)の動きで飛び出した晋作が受け止める。 だらりと力が完全に抜け落ちている体。目を開ける気配はない。
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