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「な、な、な、な……!?」
「驚きすぎじゃん。ここに連れて帰ってきたの俺だけど。その様子じゃなんも覚えてない感じ?」
「……な、なんもとは?」
朝起きたとき服はちゃんと着ていたし、ソウイウコトはしていないはずだ。
「酔っ払った耶弥はすごーく甘えてくれたんだけどな」
「……っ、酔っぱらいの戯言は忘れてください!この通りちゃんと元気なのでもう帰ってもらって「やだね」
あたしの言葉に被せて発言した彼はあたしの手を取って「こっち」って再びリビングへと戻っていく。
「りっくん……?」
「やべぇ、その呼び方……やっぱり嬉しい」
「へ?」
「その呼び方、耶弥以外にさせなかったんだ。またそう呼ばれるの嬉しすぎてどうにかなりそう」
目の前の彼はもうとろけてしまうんじゃないかってほどあまーい表情をしていてこんなの勘違いするなって方が無理だ。
「4年経ったときさ、お前のこと探し回ったんだよ」
「え?」
「でもだれも知らないし、もう会えないのかって悔しいけど諦めるしかないのかって……そもそも連絡先変えるとかお前はきっともう会うつもりなかったんだから諦めろって言い聞かせてた」
あたしを見つめる目から愛が溢れているようにみえて思わず彼に向かって手を伸ばすとバシッとその手を取られる。
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