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「りっくん、あたしのこともうすきじゃないよね」
「は?好きじゃなきゃつきあってないだろ。何言ってんだよ」
はぁっとため息をついて「そーいう質問ダルいんだけど、話がそれならもうバイト言っていい?」
特にこちらを見ることもせず、そのまま教室を出ようとする彼に「まだ話し終わってない!」腕を掴む。
「まだあるの?」
「別れて欲しい」
「……は?」
聞いたこともないほど低い声で反応して、ゆっくりと顔を上げた彼にあっ、久しぶりに目が合った。と感じる。
それほどまであたしちは目が合った記憶が最近なかった気がする。
あたしの言葉に信じられないというような顔をして、あたしのことをゆっくりと見た。
「冗談か……?」
「冗談でこんなこと言わないよ。別れて欲しいって思ってる」
掴んでいた手を話して彼との距離を取る。
「なんで?別れないよ」
「え?りっくんだってあたしのこともう好きじゃないんだったら別れていいじゃん」
「だから好きじゃないってのはお前が勝手に言ったことで、俺はそんなこと言ってない」
とったはずの距離はジワジワと近づいてくる彼によって詰められていく。
おかしいな。別れ話をこっちからされるのを待っているんだと思っていたのに。
別れ話をされたら惜しくなったのか?こんなはずじゃなかったんだけど。
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