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「前までだったらあんなふうに面倒くさそうに言わなかったじゃない。最近連絡戻れてないし、高咲さんといるほうが多いじゃん。だから、あたしと付き合うより高咲さんと付き合ったほうがお似合いなんじゃない?知ってる?あたしとりっくんが話してないせいで別れて高咲さんと付き合ってるって噂たってるの。高咲さんも否定てないみたいだよ」
彼が割り込む隙間もないほど一気に話す。
合間に「いやっ!」とか「それは……!」とか「あいつとは」とか口を挟もうとしていたけど全部聞き入れなかった。少しでも聞き入れたらこのまま絆されてしまいそうでそれだけは避けたかった。
「耶弥がそんなに思い詰めてたなんて知らなかった。気づかなくてごめん」
「仕方ないよ。きづくわけないよ、あたしたち話してないもん」
「……ごめん」
嫌味かもと思ったけど、言ってしまったあたしの言葉にバツが悪そうな顔をする。
「もうりっくんのことで悩むの終わりにしたいの。ごめんね、頑張れなくて」
「耶弥は悪くない。でも、俺別れたくないんだけど……距離を置くんじゃダメなのか?」
「んーん。ちゃんと別れたいな」
距離を置くなんてもう別れるも同然だろう。
そんな曖昧な関係を続けるくらいなら別れた方がマシだ。
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