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「なんか騒がしくない?」
結婚式の二次会。
親友と「綺麗だったねー」って話しながら飲んでたら個室の入口あたりでザワザワと騒がしい声が聞こえる。
「縁山陸叶きましたー!!」
入口から聞こえてきたそんな声に持っていたグラスを落としそうになる。
「ちょっと、耶弥」
「う、うん……!」
友達の言葉に返事を返すも、動揺していて大した返事もできない。
結婚式にいなかったし、今日は参加しないものだと思っていた。
そりゃあ、もしかしたら今日会えるかもしれないと思っていたし会ったら何を話そう……なんて考えたりもして、結婚式にいなくて拍子抜けして。でもどこか安堵して。そうしたら油断していたこんな二次会で現れるなんて。
チラッと目を向けてみれば、バチッと思い切り目が合って、どうしたらいいかわからなくてすぐに逸らしてしまった。
ニコッとすればよかった?会釈でもすればよかった?そのどれも違う気がして、とりあえずあたしは目の前のグラスに口をつける。
「ねぇ、大丈夫?飲みすぎじゃない?」
「大丈夫だよー。いつももこのくらい飲んでるじゃん」
「いや、明らかにいつもより飲んでるでしょ……」
心配そうな顔をする親友に笑って「大丈夫。トイレ行ってくる」って席を立つ。
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