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「……ん」
目を覚ますと自分のベッドに1人寝ていた。
夢の中ではあんなに幸せだったのに、目を覚ました後の現実が一層寂しさを感じさせる。
でも触れられた手も、落とされた唇もすべてがやけにリアルに感じられてさっきまで彼がここにいたのではないかという錯覚に陥る。
彼はこの家も知らないし、そんなことあるわけないのにね。
〝昨日大丈夫だった?〟
親友からのメッセージ。
家にはちゃんと帰ってきてるから大丈夫だったんだろうけど、たしかにあたしは彼のことをかき消したくてお酒をのみまくったとこまでは覚えているがその後の記憶が全くない。どうやって帰ってきたんだろうと、考えをめぐらせても全くもって記憶がない。
そういえば終わったあと話そうと言っていたのに酔っ払いになってしまって彼は怒っているのだろうか……なんで思うけど、連絡先も知らないしもう会うこととないんだろう。
妙にリアルな夢を思い出にいきていこうなんて思っちゃう。
「……あ、起きた?」
シャワーを浴びて頭をスッキリさせようと、お風呂に向かおうと廊下に出たところで家のドアがガチャリと音を立てて開く。
開いたと思ったらそんな声が聞こえて「は?」と発した声はなんともまぬけな声に聞こえた。
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