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21時から行った勉強を0時半までやれば、 流石に文字を見てると欠伸が止まらなくなる。 「 ふぁぁあ〜。もう、やめた…ねみぃ 」 「 ん、ねる? 」 「 寝る。陽太もあんま夜更しすんなよ 」 「 うん。俺は大丈夫…おやすみ 」 「 おやすー…… 」 さっさとメモ帳などを片付けて、空になったガラスコップを食器洗い機の中にセットしては、寝室へと行く。 陽太がホスト仲間が寝泊まりする為の客室としてあった部屋は、今は俺の寝床となっている。 綺麗か汚いのか分からない服がベッドの下に散らかり、警備や交通ルールの本が積み重なった机の上は、メモをした紙で溢れていた。 きたねぇと分かっても、掃除する気力迄は無い為に、ダブルベッドに座っては思い出したかのようにスマホを取り出すと、陽太からオススメのピアスの画像がいくつか送られてきた為に、似合いそうなのを選んで、と返す。 「 直接言えばいいのに…。てか…久々のオメガの匂いを嗅いだな…。発情期(ヒート)じゃないだけマシか… 」 俺はアルファだが、比較的にオメガのフェロモンに当たり辛い体質をしてる。 其れが救いだと、何度も思ったが…。 流石に少しクるものがあるからベッドの上で仰向けになり、部屋の明かりがガッツリついたままズボンと下着をずらして、陰茎を掴んでは擦り上げる。 「 はぁ、っ…… 」 昼に嗅いだ匂いを思い出そうとするも、相手が男だった事に一瞬萎えて、直ぐに好みの女を想像して、擦っていく。 中心部に集まる熱を感じ、竿の全体から亀頭のみを擦ったりしていけば、僅かな足音と共に部屋の扉が開く。 「 氷翠、似合いそうなのって…君に合うと思って選んだからどれで、も……… 」 スマホの画面から俺の方を向いた陽太は、この光景に分かりやすく目を点にしたが、 俺はそそり勃つ陰茎の向こうに見える陽太を見て、天井へと視線を戻し手こきを続けた。 「 別に着けりゃいいさ、着けりゃ… 」 「 ……続けるんだ。糸瓜(ヘチマ)かと思った… 」 「 はぁ、やっぱダメだわ。イく気分にならねぇ 」 触っていた手を止めて、枕元の汗拭きシートを掴み、一枚取り出して手を拭くと陽太は、扉を閉めて出ようと考えてから、一歩入って来た。 「 溜まってるなら手伝おうか? 」 「 あ?別に…… 」 出さなきゃいけないわけじゃねぇから、必要ないと言い掛ければ陽太は俺の足元に空いてるスペースに座り、掌に唾液を垂らしてから少し萎えた陰茎を掴んできた。 「 まぁ、ホストしてた時に客の相手で慣れてるから…してやる 」 「 ふ、理解出来ん…態々男とヤリたい客なんて… 」 他人事でしかないが、オメガの前に…  男と女の性があるんだから、そっちでいいだろうと思う。 態々男を選ぶ奴の気が知れないと天井を眺めたままじっとしていると下半身の熱は再度溜まり、腹に来る快楽に深く溜息交じりに息を吐く。 男が自分の陰茎を触ってるなんて考えたくねぇから、余り下半身は見たくないが…。 陽太が上手いことは知ってるから、如何しても反応してしまう…。 「 は、ッ…… 」 「 ……ん…… 」 何となく擦るだけの感覚じゃない事が分かり、顔に隠した腕をずらし、視線を下半身に向けると先端に下を当て舐めたり、亀頭を咥内に含みしゃぶってる様子に背筋が震えた。 「( キモい事を良くやってくれるよな… )」 俺なら絶対に男の陰茎なんてしゃぶらねぇなと思って、目線を逸らそうとするも…。 彼は熱い息を吐き、色白の顔を赤く染めては頭を揺らしたり、舌で鈴口を滑らせる。 ドロっと垂れる先走りが舌に絡み付き、唾液と混じって卑劣な音を立てる。 「 悪い……すげぇ、気持ちいい… 」 「 ん、いいよ……ふ、ンッ… 」 こんな事をさせて気持ちいいなんて口にするのは、きめぇけど…。 吐かなきゃ萎えそうだったから、口に出した。 「 あ"……すげっ、いい……ん、っ… 」 「 は、んぅ、んッ… 」 その辺のオメガや謎の女を想像するより、断然いいと思っていれば、脚の付け根を撫でる手が玉袋を揉むことに、促される感覚に息を詰めた。 「 くち、離せよ……。でる、ッ………は、くっ……! 」 「 ンッ……… 」 下半身に力が入り、腰を突き上げるようにすれば、 陽太は口を離せと言ったのに、咥内で男の精子を受け止めやがった。 「 はぁ……って、出せよ!? 」 一瞬脱力感で忘れかけていたが、明らかに外で射精した感は無かった為に、上半身を起こして汗拭きシートを差し出すも、 此奴は顔を上げて口元から喉に触れ、喉仏を上下に動かした。 「 んっ……飲んだ… 」 「 の、ん……だ… 」 何処か笑って告げた事に、自分が飲んだ訳じゃないのに吐き気で、口元を押さえ視線を外す。 「 ……おえ、きも……。よく飲めるよな…んな、ウニウニの軍勢を… 」 「 慣れかな?一回で大丈夫? 」  「 慣れって…。はぁ…まぁ、ありがとうな。お陰で、スッキリした。ちゃんと歯磨きとうがいをしてくれよ 」 「 うん、するよ。それじゃ…おやすみ 」 「 嗚呼…( ホストってすげぇな…… )」 どんな客でも、こんな事をしてたのかと思うと過酷な仕事でしかないだろう。 俺がもしホストなら、フェラをしろ、なんて言った客の股間を潰してる。 陽太は、そんなホストを学生の頃からしていたと言う言うんだから… よっぽど金が欲しかったんだろうな…。 「( この家も…陽太が買ったからな…。はぁ、もう少し稼ごう。まずは国家資格の合格か… )」 陽太だけに負担をさせる気はないと、心に決めてから脱力感と睡魔が訪れた為に身を委ねて、眠りにつく。 こういう感覚の後に眠ると、悪夢を見なくて済む…。 爆睡した後に起きるのは決まって朝方の4時。 陽太が起きないように、出来るだけ音を立てないように気をつけ、朝風呂に入り乾燥機に入ってる制服をそのまま取り出して身につけ、キッチンに立って昼飯用の弁当を作る。 妹にもよく弁当を作っていた為に、あまり苦ではない。 混ぜ込みご飯の元が入ったおにぎりを握り、甘めのダシ玉子巻き、唐揚げ、ウィンナー、エビチリ、タンパク質が取れるひじきの煮物、ほうれん草のごま和えを詰める。 「 まぁ、こんなもんか… 」 見た目はともかく腹に入るだろうと思い、別のタッパーに煮卵が4つ入れたのを弁当の上に重ね、バンダナで包んでから、保冷剤の入った袋に入れた。 「 ふぁ……氷翠、おはよう…… 」 そんな事をしていれば、8時出勤なのに起きてきた陽太は目を擦りながら、カウンターキッチンへと近づく。 「 はよ、ついでに弁当作っておいた。俺はそろそろ仕事に行くから、二度寝でもしてくれ。あ、朝ご飯にエビのクリームグラタン作っておいたから、レンチンして食ってくれ 」 「 相変わらず…俺の分までありがとう…。ゆっくり食べさせて貰う 」 「 嗚呼…。後は箸とプロテインと……凍らせたスポーツドリンクを4本持って… 」 忘れ物がないように呟きながら、準備し少し大きめの手荷物が出来れば、陽太は持ってきていたスマホを向ける。 「 ねぇ、氷翠。一瞬だけポーズ取って 」 「 は?こうか? 」 ポーズと言われても分からないために、被っていた帽子の鍔を掴む程度で振り返ると、シャッター音が聞こえてきた。 「 ありがとう。仕事場の子に、氷翠がみたいって子がいたから見せるね 」 「 嗚呼…でも、彼女とか作る余裕ねぇから。そういう出会いはいらねぇよ? 」 「 分かってる。あ、日焼け止め持った? 」 「 忘れていた…サンキュー。それじゃ行ってくる 」 「 行ってらっしゃい 」 6時頃に家を出る為に、最後に日焼け止めクリームをポケットに突っ込んでから、荷物を持って部屋を出てから、マンションの立体駐車場に駐めている愛車の方行く。 「( てか、彼奴…人に俺を見せるタイプだったか?前に職場に行った時…誰も気づかなかったが…まぁいいか )」 考えても仕方ない事は考える気はないと、さっさと仕事に行くことにした。
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