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4話
引き続き琥珀視点
🌸「それで、」
🌙「?」
🌸「何の御用でここまで?」
そう問うた怜桜さんの声はさっきの声より低く、酷くほかの人間を疑っているような、この屋敷の者以外は信じないという雰囲気を出しているような感じで私は少し怖く感じた。
🌙「…っ、それ、は…」
🌸「……なんです?」
🌙「…話が、したくて」
🌸「…ほう?お話ですか」
疑われているのが怖くて、声が小さくなってしまう。
🌸「……すみませんね疑ってしまって。私の性格上人をよく疑ってしまうんです」
そういう怜桜さんの声は先程までの怖さはなく会ったときのような優しい声音だった。
🌸「誰と話したいんです?私が連れてきますよ」
そう言って扉の取手に手をかけようとする怜桜さんの袖を引っ張った。
🌸「…どうしたんです?」
🌙「あの、えっと、その……」
止めた、止めてしまった。『私が話をしたいのは貴方だ』なんて言ったらどう思われるだろう。そう思うと言い出すのが怖くなってくる。袖を離すのも嫌で、でも言い出すのは怖い。小心者だ、私は。……でも小心者なりにでも、頑張らなきゃ、何もできないし何も起きない。
🌸「…本当にどうしたんです?話したい人がいるんだったら連れてき……🌙「あの…!!」」
🌙「私が話したい相手は、貴方なんです、怜桜さん」
🌸「……そうですか、ならお話を聞きましょうか。私に何の御用で?」
【怜桜視点】
🌸「それで、」
🌙「?」
🌸「何の御用でここまで?」
私は彼女を疑う。客人を疑うのも失礼だが私に罵詈雑言を浴びせる人も、私たちをそういう目で見てくる特殊な人も居る。疑って損は無いのだ。
🌙「…っ、それ、は…」
🌸「……なんです?」
🌙「…話が、したくて」
🌸「…ほう?お話ですか」
話とは、誰にだろうか。彼女のことだ、私に用事なんだろう
🌸「……すみませんね疑ってしまって。私の性格上人をよく疑ってしまうんです」
🌸「誰と話したいんです?私が連れてきますよ」
扉の取手をつかもうとする私の袖を彼女は掴んだ
🌸「…どうしたんです?」
🌙「あの、えっと、その……」
どうしたのか、そう聞くともごもごと口を噤む
🌸「…本当にどうしたんです?話したい人がいるんだったら連れてき……🌙「あの…!!」」
私の言葉を遮って彼女、琥珀は言った
🌙「私が話したい相手は、貴方なんです、怜桜さん」
🌸「……そうですか、ならお話を聞きましょうか。私に何の御用で?」
【琥珀視点】
🌙「……どうして、居なくなったんですか」
🌸「…誰が、ですか」
私がそう問うと目の前の怜桜さんの瞳がすこしばかり揺れた。
🌙「私を覚えてないんですか……?『母さん』」
🌸「……っ!!」
酷く動揺した様子で、少しだけ目を開いた。けれどそれ以外はあまり変化がない。
🌙「…その反応、覚えてるんですね」
🌸「……はあ、覚えてるに決まってるでしょう。自分の子なんだもの。それで、どうしたって言うの。今更私に会いに来たって、私から話すことは何も…」
🌙「話したいことがあるって、言ったでしょ?」
🌸「…話したいことって、なに?」
🌙「…なんで、母さんは私の前から居なくなったの……?」
🌸「それ、は……っ」
「……知ってるでしょ、私が『魔女』だって呼ばれてること、あの人も私を嫌う人種だった、ただ、それだけよ」
🌙「…本当に、それだけ?」
そういう母さんの顔は、瞳は怖く感じているような、不安という顔をしていた
🌸「それだけって言ってるでしょう」
🌙「でも、今、この場の母さんは…」
🌸「……出て行って。帰ってくれないかしら。…言ったでしょうら私から話すことは何もないって。」
🌙「でもッ……!!!」
🌸「聞こえなかった?出て行ってと、言っているの。」
🌙「……わかった。紅茶、美味しかったよ」
そうやって告げられた母さんの声と顔は本気で、私は客間を出た。
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