韓国の地へ

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韓国の地へ

何とか取れた有給 3人で韓国の地に降り立った。 「まずは~、どこ行く?」 ミキがうれしそうにあたりを見回した。 優花はスマホをチェックすると、 「ゆかりの地、全部行きたいもんね。まずはカフェ行かない? 何か飲みたいし」 「じゃあじゃあ、スファンのとこね、でしょ」 ミキがうきうきと私たちの顔を交互に見た。。 ミキはスファンペン、つまりスファン推しで彼のゆかりの地に全部行く! と息巻いていたのだ。 というわけで、韓国の地に降り立った私たちは、まずはスファンがオーナーをしているというカフェを目指して、マップ通り進んでいた、ハズなんだけど。 「ねえ、ここ違うんじゃない?」 秋奈はまわりに目をきょときょとと動かせた。 「うーん」 優花も左右に目をやる。 「お店らしいお店がないけど」 「そこ、そこを抜けたら大きい通りに出るはずよ」 スマホを手に指さすミキ。 普通の民家の壁が続く。その間を抜けるように進んでいく。 小さなお店らしい建物もあるものの、もう営業してないようだ。 「ああ、それにしても思い切ったわよね」 優花がふうっと息を吐き出すようにどこか満足げに言った。 「そうよね。でもよかった、こんなことでもないと、韓国に来ることなんてなかったもん」 腰が重いのもあってなかなか行動を起こせないタイプの秋奈は、建物の間から見える青空を見上げた。 「ね? 来てよかったでしょ?」 とウインクしたミキは、 「あとはスファンに出会えたら何も文句はないんだけどなあ」 上を見上げ、祈るようなポーズをとった。。 「それはさすがに」 苦笑する秋奈と優花にミキは口を尖らせる。 「えー、それはわかんないでしょ! 私、会えるなら何でもするわよ」
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