韓国の地へ

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「うそっ、何で?」 「どうなってんの?????」 秋奈とミキは同時に叫ぶと、無言になっていた優花が小さく「猫」とつぶやいた。 「え? 猫? 何言って…」 顔を2人に向けた秋奈は倒れそうになった。 私の目の前には予想を超える大きさの猫が2匹。 「猫が大きいんじゃなくて、もしかして私たち猫になってる、の?」 恐る恐るいう秋奈にミキがこちらに顔を向ける。 「何言ってんの、猫になっ…!? 秋奈? 優花?」 「みんな猫になってるわ」 優花が落ち着いた声で答えた。 そのあと、どこをどう通ったのか。 気付いたらまたもや知らない路地裏で身体を丸めていた。 「いったいどうなってんのよー!」 「ぎゃあぎゃあ言わないで。こっちが聞きたいくらいなんだから」 ぎゃあぎゃあ、いや、にゃあにゃあ言っているミキに秋奈は耳をふさごうと試みたが無理だった。 「だってだって、やっと遊びに来れたのよ。初日よ! まだどこの聖地にも行ってないのよ」 「そこ?」 「私が猫になりたいなんて言ったからかも」 すっかり肩を落とした、いや、もともと肩なんてないか。がっくりとした優花が頭を下げる。 「まさか、それだけで猫にならないって」 「でも、あのあとすぐだったじゃない」 がっかりしてる優花慰めようと必死の秋奈はミキに「ねえ」とふると、 「わかった! そこに魔術師が隠れてたのよ! それで私たちの言葉を聞いて呪いを」 最近、転生ものにもハマっているミキがこぶしを作って、ってこぶし作れてないけど、言い切っている。 秋奈はあきれ顔を向け、 「ちょっとちょっと、何の漫画読んだのよ」 と言ったが、優花はキッと顔を上げた。 「でも、そこに何かあるのかも。行ってみよう」 「そうね、ここで言い合っててもどうにもならないし」 と返した秋奈は、他に思いつくことはないしと、路地から抜けようとした。 その瞬間、3人、いや3匹に大きな影が落ち、ミキが抱き上げられたのだ。 ソ・スファンに。
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