ご飯は何?

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ご飯は何?

「綺麗なマンション……」 秋奈は整頓され、落ち着いた色調の家具に囲まれたリビングを見回した。 そっと床におろされた秋奈。 あのあと、スファンがミキを抱っこしたまま、ジョンハは優花を抱っこして、スファンの家なのか、大きなマンションに連れてこられた。 秋奈を運んでくれたハンウ。 車の中では膝から降りて横に座った。 ちらりと見られたら気もするけど、申し訳なくて。ネット情報によると犬派みたいだし。 マンションに着いて、運んでくれたハンウの背中にありがとうと思わず言ったら、不思議そうに振り返ってきた。 すたすたと寄ってくる。 目の高さままでしゃがむ。 な、何!? 何かやばいこと言った? 「今、お礼言った?」 えっ? まさか私、人間の言葉喋ってるの? 「何、猫に話してんの」 ジョンハがおもしろそうに顔を寄せてくる。 秋奈と並ぶように優花を降ろすとスファンに顔を向けた。 「お腹減ってるんじゃないかなあ。何かある?」 「ご飯なあ。今はこっちで何も飼ってないから、何も置いてないんだよな」 「うちもだけど、買ってこようか?」 スファンに抱っこされたままのミキはトロンとした目のままスファンの横顔を眺めてるし、気遣うジョンハの言葉に優花は感動のまなざしを向けてるし。 猫になって飼ってもらいたい。 なんて嘘みたいな希望が叶ってるんだけど。 これって感謝するべきなのかな? 誰に? と、考え込んでいる秋奈の耳に「キャットフード」と言う言葉が飛び込んできた。 「どうしようかな。キャットフードないしな」 スファンはミキを肩にもたれさせるようにして冷蔵庫をのぞくと牛乳を取り出した。
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