ご飯は何?

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キャットフード!? 思わず秋奈と優花は顔を見合わせた。ミキも覚醒したようにこっちを凝視している。 いくらなんでもキャットフードはやめてほしい。 「そういうのはやめて!」 「普通のご飯でいいから!」 「キムチ乗せてくれるだけでいーから!」 「何ニャアニャア言ってんの?」 ジョンハが目をぱちくりとさせながらこっちを見ている。 「そんなに腹減ったの? ご飯ぐらいしかないけどいいかなあ」 弱った顔のスファンにミキは一生懸命うなづいてるけど猫のしぐさとしてはどうなの? 「ご飯でいいんじゃない?」 こちらをじっと見ていたハンウが何でもないように言う。 「そうだな、とりあえず」 スファンはジャーからご飯を3枚の小皿により分けて床に置いた。 よ、よかった。 ホッとしたミキと優花はご飯に駆け寄り、秋奈もそのあとに続いた。 通り過ぎようとした足元、ハンウのジーンズにちょっとだけすり寄って感謝の意を表した。 お辞儀はできないし、猫ってこういう表現だよね。 またもやこっちをじっと見ていたハンウは立ち上がると、 「ヒョン、この子たちご飯が好きなんじゃない?」 「そうか?」 「そうだね、うれしそうに食べてるし」 私達3匹ががっついている姿を見ていたジョンハが同意した。 「無理にキャットフードかわなくてのいいんじゃない?」 「何だかこの子らの事、よくわかってるみたいだなあ」 スファンは不思議そうな顔をハンウに向けた。 「お前、犬派と思ってたけど」 「ん? そうなのかな。何となくそんな気がしたんだけど」 ハンウ自身も不思議なのか、頭に手をやって秋奈の方を見ている。 振り向いた秋奈は目が合ってしまい、焦ってご飯に顔を戻した。
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