【短編版】真面目な如月さんは誘惑に負けたくない!

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 この桜ヶ丘高等学校は、昔は特進高校として地元では有名な頭の良い高校として崇められていた。 しかし近年は生徒全体の偏差値が落ちており、今では不良高校に堕ちようとしていた。  それでも中には成績優秀な生徒。品行方正な生徒もいる。 この話は、成績優秀で真面目な学級委員長、'如月ゆな'のはちゃめちゃなお話である。 ――――――――  「白川くん!学校に漫画持ってこない!」 「いいじゃんいいんちょ〜?」 ここ、3年1組ではいつものように注意する声が響いていた。その声の主が如月ゆなだ。 如月さんは成績優秀で品行方正という点で、教師から一目置かれている。   しかし生徒からは賛否両論で人気が分かれている。 理由が融通が効かないところだ。 不真面目、ヤンチャな人は如月さんのことをよく思ってなく、逆に如月さんには及ばないが軽く真面目な人、ヤンチャしてない人は如月さんのことを評価している。   「良くないことを恐れずビシッと言えるの凄いよね!」 「少しくらい見逃してくれてもいいのによ。」 「如月さんは自分も他人も厳しい人で素敵なのよ!」 「先生が課題出し忘れかけてたのに如月さんが指摘したのはやりすぎじゃないかな…。」 周りからコソコソ自分のこと話されても如月さんは気にしないタイプだ。 そんな中、とある奴らが如月さんにとあることをしようと企んでいるものあった…。  ――――とある暑い夏―――― 「ふー…アッツ…!」 夏の猛暑日、手で仰ぎながら寄り道せずまっすぐ帰っていると、前からクラスの男女たちが群がりながら歩いていた。 その同級生たちはなんとアイスを食べていた…! 「ちょ!学校帰りに買い食いしたらダメです!」 焦っていつものように注意すると、一人が袋からなんと 二人に割ってシェアするポピコ(カフェオレ味)を私に渡してきた。 「な…!? いらないです!先生に言いますよ!」 今アイス食べたら美味しいだろうな…じゃなくて! アイスを歩きながら食うなんてダメだ! すると周りが私に囁くように呟いてきた。 「こんな暑い中食べるアイスは最高だよー」 「いいんじゃなーい、すぐ食べたらいいんだよ…」 「世の中歩きながらタバコ吸う人もいるんだよ?それに比べたら全然いいんだよ?」 「アイスなんてほぼ水分、水分補給だよ!」 「ほら冷てぇよ、俺たちの奢り、な?」 ダメダメダメダメ…、私の高校生活に青春はいらない… でもアイス美味しそうだな…しかも奢り…、 でもダメダメダメダメ…!でも暑くて死にそう… 「あ…あぁ…!いらないです!もー!」 頭を抱えながらその場を走って離れた。 ギリギリ私の理性が勝った。 家帰ったらすぐ着替えてアイス買って食べてやる〜!  一方その頃…。 彼らは去っていく如月さんを見守りながら作戦の振り返っていた。 「…作戦失敗だね。」 「でも惜しかったよ?」 「これからも如月さんにたくさん誘惑しよう。」 「さんせーい」 彼らの目的はなんなのか…? それはまた別のお話…
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