プロローグ

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プロローグ

 この恋は実らないだろう。彼は大人で私は高校生の子ども。  手を伸ばしても絶対に届かない。  月のように遠い人を好きになってしまった。  この恋はきっと叶わない。  月が欲しいと泣く子どものように、私は泣く恋になる。  私が好きな人は言った。 「桜音(おと)ちゃんに見せたいものがある」  この誘いを受けたら、今日で、お別れになるかもしれない。私が好きという言葉を口にしたら簡単に終わりになる恋。でももう私の心は隠しきれなかった。  今日、私は彼に好きと伝える。  
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