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轍の青女【7】
抱えている矛盾点は認める、抗う気はない。
高校生活を覆い尽くす、血気盛んで異様な雰囲気にわたし自身も呑まれていたのは、確実である。
この時期は、熱気で荒廃し狂気に覆われた戦闘地域へ送り込まれていたみたいに感ずる。
高校生のときは、男子も女子も狂っていた。
中学生から高校生になって、皆は狂ってしまったらしかった。
何をやってもいいんだ、と皆が揃って「羽目を外した」との表現は適宜とはいえない。
こうなるようにかなり以前から仕組まれていた気配がみえる。
……わたしもそうだったのか?
狂気に塗り潰された時期をなんとか乗り切るため、わたしは彼を利用したのだろうか?
……「白が好き」と言いながらも、黒い服を着ているわたしが、ここで囁く。
…………違う…………いいや、そうではない、と。
お互いが大好きで大好きでどうしようもなかったのだ、と。
白にも黒にもなれないわたしは続けた。
…………誰もが知っていること、やってきたことを隠し、利口ぶって否定していると、素晴らしい人間とみなされる。
みよ、不自然なことをすると、不自然な結果が生じてしまう。
真の人間が構築したのかも怪しい、誰もが従属するよう仕向けられている社会が根源的な問題を抱えていなければ、こんなことはまかり通らない。
…………正しい……正鵠を射た言が、奥意より響く。
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